トロントにはTCCと呼ばれる公共の交通機関があります。バス、サブウェイ、それから路面電車のようなストリートカー。当然それらには行き先が記されています。
すがすがしい青空につられるように外へと出たわたくしは、気になる行き先を掲げたバスが目の前を通り過ぎてゆくのを見かけました。その名も――
『Liberty Village』
つ まり、直訳すると『自由村』です。自由……若かりし頃のわたくしは、この言葉に抗いがたいほどの魅力を感じていたものです(しんみり)。いえ、もちろん今 現在もですが(笑) ただ、その頃と今とでは少しだけ違う捉え方をしています。それは「自由」と「自分勝手」との違いに気づいたからでしょうか。
さて、どうでもいいつぶやきはこの辺にして、本題へと戻りましょう♪
思い立ったが吉日ともいいますし、どちらかというと直感や本能に従う性質のわたくしは、次のバスを待って「Liberty Village」へと向かうことにしました。 村人たちは村に冠された名前どおり、地平線の果てまで広がっていそうな草原で、思い思いの自由を謳歌しているのかもしれません。トロントという大都会の中に存在する魅力的な名前の村……果たしてどんな所なのか、否が応でも期待が高まります!
バスに揺られること約20分。ついに到着しました! これが「Liberty Village」の入り……ぐち? 日差しを受けて文字が輝いています。想像していたものとだいぶ様子が違うような……。
いえいえ、まだ判断するには早すぎます。村を見て回ってからでも遅くはないはず。
少し歩いたら、やはりありました! 『自由通り』のサインです。
自由通りを東へ向かって歩いてみました。すると、牧草を貯めておくサイロのようなものが! 写真を撮り逃しましたが、馬に乗ったシェリフ(保安官)、もといポリスともすれ違いました。
ショッピング・モールとまでは言えませんが、数多のショップやダンス・スタジオ、フィットネス・クラブなどが入っていました。
自由村――その実態は村内を軽く散歩すれば自ずと知れます。そう、「Village」というのは名ばかりで、実際のところは現在進行形で開発が行われている、天を衝くようなコンドが建ち並ぶベッドタウン然とした場所なのです。
このとおり、まだ建設中のコンドがほとんどでした。建設予定地もそこかしこに。オンタリオ湖のすぐそばのようなので、それらに住んだら見晴らしはよさそうです♪
村という響きからはずいぶんとかけ離れた場所でしたが、人口密度は村のそれに近いものがありました(笑)